事例紹介通所介護×ICT導入事例

利用者1人当たり30分の業務削減!?
ICTで業務効率化を実現

合同会社P&L様は埼玉県エリアを中心に通所介護、訪問看護、居宅介護支援事業所を運営されています。 同法人で運営の機能訓練特化型デイサービスでは「デイタブレットアプリ」の活用で職員様の負担軽減、業務効率化を実現しました。

  • どのような方法で職員様にタブレット操作を指導されたのか?
  • タブレットの活用により請求業務がどれくらい効率化できたのか?
その秘密と工夫について、業務執行役員の渡邊様にお話をお伺いしました。
ICT化にお悩みの通所介護事業所様は必見の内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

「とにかく利用者様のために働く」を実現するために

デイタブレット導入のきっかけを教えてください。

渡邊様:法人として、「とにかく利用者様のために働こう」という考えを常に持って運営しております。そのためには、利用者様と向き合う時間が必要で、とにかく事務作業に係る時間を削減しなければならないと考えていました。デイタブレットを活用することで記録や請求などの業務にかかる時間を削減できれば、より利用者様に寄り添う時間が作れるのではと思い、導入を検討しました。

カイポケのタブレットセミナーで不安が解消されました

デイタブレット導入の際に課題と思われていた点を教えてください。

渡邊様:はじめはデイタブレットの使い勝手が悪いと結局現場の負担になってしまうのではないかという不安を持っていましたが、導入前にカイポケで開催しているタブレットセミナーに参加し、基本操作等の理解や不明点を解消することができたので安心して導入に踏み切れました。 とはいえ、現場の職員からは導入に不安の声も上がっていたので、不安なく操作できるように伝えるところが最初の課題だったかと思います。

職員様にはどのように操作を伝えられたのですか?

渡邊様:全体研修ではなく、OJT形式で職員には伝えました。 全体研修だと、説明を聞くだけになり理解度が低いままになってしまうと感じていたからです。今までの経験上も、全体研修では伝えたことの10%くらいの理解度になってしまっていました。そのような状況のため、時間と手間はかかるかもしれませんが、OJT形式で職員に伝えることにしました。 具体的には、朝8:30から業務を開始して、利用者様が来所されるまでの時間を使いました。その場で分からない点を聞きながら進めることができるので、理解度は高く、初めは不安に感じていた職員でも1か月で基本操作を習得してくれました。今では音声入力なども使いこなしており、「難しいと思ってたのは思い込みでしたね」と言っているほどです。

紙記録とタブレット記録の内容を突合させ、ミスをその日に解消

スムーズに導入ができたとのことですが、本格導入後に課題となったことはありますか?

渡邊様:記録自体はスムーズに入力ができるようになりましたが、本来入力する場所と違うところに記録をしてしまったり、記録したつもりができていなかったなどのミスが多くなってしまいました。 このようなミスは、当日のうちに対処しないと月末の請求時期に修正などで大変になってしまうため、ミスを如何に無くすか、早期発見ができるかという部分が課題になりました。

これらの課題に対してどのような工夫をされたのですか?

渡邊様:タブレットの記録内容と紙でも記載している情報をその日のうちに突合させるようにし、内容に差分がない状態で一日を終えるようにしました。突合させること自体は少し手間に思うかもしれませんが、この作業がないと月末にミスが発生した場合、修正に膨大な時間がかかります。結果的に月末の請求業務の負担が軽減できています。 また、ミスをなくすために、職員には分からないことはその日のうちに解決するように伝えています。事業所内で解決できないときはチャット等でやり取りするようにしていますので、解決もスムーズにでき、ミスも徐々に減ってきていると感じます。

コロナ禍の今だからこそICT化のチャンスだと思います

機能訓練特化型デイサービスを運営されていますが、1日の簡単な流れとデイタブレットを使うタイミングなどを教えてください。

渡邊様:午前・午後の2単位制で運営しています。共通の流れとしては、 各単位の初めに利用者様の確認を行います。その際はタブレットの利用一覧を見ながら入力していきます。利用者様が到着されたら、看護師がバイタルチェックを実施し、タブレットに入力します。 その後準備運動・機能訓練に移りますが、タブレット記録は一人の職員がフロア全体を見ながら対応するようにしています。そうすることで利用者様の異変などにも気づくことができるようになっています。この運用は私ではなく、職員が意見を出し合い考えてくれた運用になります。 機能訓練終了後は再度バイタルチェックを行い、帰りの送迎を実施して終了の流れです。利用者様が送迎に出られた後にタブレット記録と紙記録の突合を必ず実施しています。

残業イメージ 利用一覧を確認しながら利用者登録 看護師がバイタルを入力 1人の職員が全体を見守りしながら記録 タブレットと紙記録の突合

※タブレット画面をクリックすると大きく表示されます

デイタブレットの活用により効率化できた部分はありますか?

渡邊様:主に請求業務にかかっていた時間が大幅に削減できていると感じます。タブレット導入前は紙の記録から転記をする必要があったため、かなり負担がかかっていました。先ほども言いましたが、タブレット記録のミスにより実績修正が発生するためまだ少し時間がかかる部分がありますが、そこの改善ができれば、利用者様一人当たり30分ほど効率化できるのではと思います。

最後に、デイタブレットの導入を検討されているカイポケ会員様に向けてメッセージを頂けますか?

渡邊様:コロナ禍で通所介護の運営が難しい部分があると思いますが、「とにかく利用者様のために働こう」という考えはブレることなく運営し続けています。また、昨今ICT化という言葉が多く聞かれると思いますが、今がICT化するチャンスだと思いますし、逆にICTできないと業界の流れに取り残される恐れがあるかと感じています。コロナ禍の今だからこそ投資をするチャンスと捉えることも必要ではないでしょうか。

編集後記

デイタブレット導入を検討されている中で、現場職員様の操作理解が進まず断念されている事業所様もいらっしゃるのではないでしょうか。
合同会社P&L様では、職員様への操作指導をOJT形式で実施されたとのことでした。そうすることで職員様も理解を深めることができ、短期間で活用できるようになったとのことです。
また、今回お話をお伺いした渡邊様は、カイポケで開催しているセミナーで操作方法を理解され、事業所への導入を推進されました。
職員様の操作理解にカイポケのセミナーや操作動画もご活用いただければ幸いです。

 

事業所情報

早稲田イーライフむさし藤沢

  • 通所介護
  • 埼玉県

埼玉県入間市にて通所介護サービスを運営。 早稲田大学エルダリー・ヘルス研究所の協力のもと、運動プログラムはエビデンス(科学的根拠)を重視し、リハビリではなく「運動習慣を身に付ける」ことを目指している。